突然ですが問題です
問１
2つのクジのどちらかを引いてください。
Ａ：100万円が無条件でもらえるクジ
Ｂ：当たりが出れば200万円もらえるが、ハズレが出たら何ももらえないクジ
問２
200万円の借金があるとします。
以下の2つのクジのいずれかを引いてください。
Ａ：無条件で100万円が減額され、借金総額が100万円になるクジ
Ｂ：アタリが出たら借金が全額免除されるが、ハズレが出たら借金総額は変わらないクジ
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問１ではＡ、問２では多くの人がＢを選択しました。
この回答から以下の事が言えます。
・人間は利益を前にすれば、確実に取れる利益を取る。
・リスクを前にすれば、その全てを回避しようとする。
まずはこの事を頭に入れておいてください。
人は損することを嫌う
当然と言えば当然ですが、
この当然が鍵となります。
分かってはいたけど出来なかった。
そんな経験ありませんか？
では、次の問題。
問３
コイン投げのゲームに参加したあなた
大金を手に入れられるか、もしくは手持ちの資金を失います。
表が出る：100万円もらえる
裏が出る：50万円を失う
コインを投げて表と裏が出る確率は50％。
確率が50％なので上記のゲームは、
あなたにとって有利です。
しかし、あなたにはコインのゲームに
参加しないという選択肢もあります。
ゲームに参加しない場合、
20万円を手に入れることができます。
あなたはゲームに参加して
「100万円GET or 50万円を失う」
「20万円を確実に手に入れる」
どちらを選びますか？
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この問題では、多くの人が
「確実な20万円」を選択します。
しかし、確実な20万円をもらうよりも、
「100万円GET or 50万円を失う」方が
結果的にはお得なのです。
行動心理学では、
人間は合理的な生き物ではなく、
ローリスク・ローリターンを好む
「リスク回避的な生き物」
であることが証明されています。
というか、20万円というのが
ローリターンと思うのは人それぞれですね。
例えば、先程の問題が
「100円GET or 50円を失う」
「20円を確実に手に入れる」
だとしたら、考えは変わりませんか？
20円ならいらないし、
50円なら外れてもいいか。
そんな考えになりませんか？
負けた時のダメージを計算して
選択の優劣を決めますよね。
これが人間が元々持つ
「リスク回避の思考」
自身の状態によって
リスクの度合いを測って行動します。
リスク回避の思考は、
何もお金だけではないです。
人生においての選択肢で
色々とリスク回避をしてきた
心当たりはありませんか？
私は心当たり所ではありません。
人は損することを嫌う？
先程、
「人は損することを嫌う」
と言いましたが、もっと言うと、
「人は損すると取り返したくなる」
そんな行動心理があります。
あなたは先ほどのゲームに負け、
50万円の損失を出してしまいました。
借金50万円です。超やばいです。
さらにゲームは続きます。
2回目のゲームはルーレット。
内容は以下になります。
赤が出る：30％の確率で100万円獲得
黒が出る：70％の確率で30万円没収
赤を引ければ100万円獲得、
先程の50万円の借金を返して
50万円のプラスです。
陽気に外食して帰りたい気分です。
そんな事を考えている中で、
ひとつ条件が提示されました。
ルーレットに参加しないなら
10万円は返してくれるというものです。
あまりにも可哀想に見えたのでしょうか。
このまま帰るなら、
借金が40万円でいいという事です。
今回は
「100万円GET or 30万円の損失」
「確実な10万円の儲け」
のどちらを取るかです。
はい、来ました。知ってるよ。
ローリスクローリターンでしょ？
10万円取るんでしょ？
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そうです。
人間はリスク回避思考なので
「確実な10万円の儲け」を取ります。
実際にそうすべきです。
しかし・・・
「現時点で50万円負けてしまっている」
この前提条件により、
人は「一発逆転」を狙って勝率根拠のない
ギャンブルに参加してしまうのです。
50万円の借金のせいで、
せっかく貰える10万円が
小さなものに感じてしまうのです。
もう金銭感覚が麻痺し始めています。
「10万円の返金」は
「確実な10万円の利益」です。
まさにローリスクローリターンですが、
麻痺した感覚は非合理な選択をしてしまいます。
このような心理状態を
「プロスペクト理論」とそう呼びます。
つまり
心理学者のダニエル・カーネマンは言っています。
900ドル失うことの負の価値は、
90％の確率で1,000ドル失うことの
負の価値よりも大きいということだ。
確実な損失は非常にいやなものなので、
あなたはむしろリスクを選ぶ。
悪い選択肢しかないときに
人々がリスク追求的になる
という事実に気づいたのは、
私たちが最初ではない。
そしてまず間違いなくあなたは、
勝つことを好む以上に負けることを嫌う。
簡単に言うと、利益による満足より、
損失による悔しさの方が大きい。
10万円儲かる嬉しさよりも、
10万円損する悔しさの方が大きいと言う事です。
これが、「プロスペクト理論」です。
これが、損切り出来ない理由です。
これが、ロスカットへの招待です。
これが、投資において負ける最大の理由です。